主がわたしたちを導こうとお決めになられたとき,最初に浮かぶ促しに気づいてそれを記録したり,実行したりしないために,御霊が与える,最も貴くて個人的な指示を受けそびれることがあります。
「メリークリスマス!」愛する友人のテリーがクリスマスプレゼントをくれました。「開ける前に言っておくわ。」彼女は言いました。「主があなたのために,この贈り物をするよう,特別に導いてくださったのよ。」テリーは,心から主に従おうとする誠実な女性です。わたしは彼女の言葉を真摯に受け止めました。
包装を外し中を見てみると,ナンシー・リー・デモスの2冊の本がありました。静かな休息の地と呼ばれる霊感あふれる本と,それに付随する美しい日記帳です。
日記帳を開いてみると,それは日常生活の出来事を記録するための一般的な日記帳ではなく,聖典の学びから得た考えや洞察を書き留めるものでした。
聖典学習専用の日記帳?それはわたしにとって新しい概念でした。わたしは何年もの間,個人的に日記をつけ,そこに聖文から得た洞察を記録することもありました。しかしこれはまた別のもので,より焦点を絞って,意識的に記録するものでした。テリーの言葉を思い出し,ぜひやってみたいと思いました。
聖典日記をつけることで,聖典学習がまったく新しいレベルの楽しみ,目的,学びに到達するのに,そう時間はかかりませんでした。

聖典日記をつける際のヒント
正しい聖典日記のつけ方は一つではないことがすぐに分かりました。人によって,その時々に合った方法があるのです。
最も簡単な方法は,聖典学習で感じた覚えておきたいことを書き留める方法です。決まった構成にする必要はなく,一定の量を書く必要もありません。自分の考えやアイデア,洞察をただ書き留めましょう。
デモスが推奨するもう少し具体的な方法は,各章を読むごとに,その章の内容を要約する文章と,その章があなたにどのように語りかけたかを要約する文章の2つを書くというものです。読んだ中に,あなたの現在の状況や課題に関連するものありましたか?

より包括的なアプローチとして,デモスは3つの領域で自分の考えを書くことを勧めています:
- 観察:この聖句は何を言っているのでしょうか。例:
- だれが,いつ,だれに向けて書いたのか。
- それが書かれたとき,何が起こっていたか。
- なぜそれが書かれたのか。
- 解釈:それは何を意味しているのでしょうか。例:
- この聖句は神について何を教えているか。わたし自身について何か教えているか。
- 従うべき模範,受け入れるべき指針,守るべき約束,避けるべき罪があるだろうか。
- 応用:学んだことを生活の中でどう活かせるでしょうか。例:
- この聖句の真理は,自分の現況にどのように当てはまるだろうか。
- どのような過ちを赦す必要があるだろうか。
- どのような変化が必要だろうか。
- 学んだ真理を応用するために,どのような実践方法があるだろうか。
聖典日記を活用するもう一つの方法があります。聖文を暗記することのメリットについて聞いたことがあるかもしれません。一節を暗記した後,それを日記に書いてみて,どの程度覚えているかを確認します。この練習は暗記に役立つだけでなく,日記に書き留めることでさらに多くの洞察を得ることでしょう。
テーマ別に日記を付けることもできます。あるテーマの中で,あなたがより深く知りたいことは何ですか。それらのテーマや質問を中心に,セクションに分けて日記を整理してみてください。各セクションでは,聖文のリストをまとめたり,その他の資料をウェブで検索したりするのも良いでしょう。これらの聖句や資料を集めたら,祈りながら研究し,自分の考えを書き留めます。この取り組み方に驚くかもしれません。
聖典日記のメリットは何でしょうか。
人それぞれの経験があると思いますが,わたしが聖典日記から得た効果を幾つか紹介します:
- 集中力が増す:読んだことを後で書き出すと分かっていると,より注意を払うようになります。気が散りにくくなりました。他の人なら気づかないようなことにも気づけるようになりました。
- 書きながら学ぶ:自分の考えを文章にすることで,今まで気づかなかったことが見えてきます。例えば,ある日,ヘブル11章を学んでいました。この聖句の中で,パウロは聖文の中から信仰を働かせた人物を挙げています。聖典日記に一つ一つまとめていくと,パウロのリストがいかに膨大なものであるかということに驚きました。また,それぞれの模範について深く考え,書きながらより深い洞察を得ている自分に気がつきました。
- 質問の答えを見つける:読んでいることについて疑問があるとき,書くことで疑問が解消され,答えが見つかることがあります。時に,書くという行為そのものにより,答えへと導かれることもあります。

- 霊的な確証を得る:時折,聖典日記に何かを書き,自分が書いていることが真実であるという力強い霊的な証を受け,驚くことがあります。そのような霊的な確証を得たときには,「この言葉が真実だと感じる」という言葉を日記に書き留めます。これらの霊的な確証により,わたしは教えられ,また励まされてきました。
- 覚える:聖典日記に自分の考えを記録することで,感じたこと,学んだことを簡単に参照し,思い出すことができます。リチャード・G・スコット長老が述べたように,霊的な印象を記録することは,「得た知識は生涯にわたって活用することができる」という意味です(「To Acquire Knowledge and the Strength to Use It Wisely」『Ensign』June 2002, 32)。
聖典日記を始める
始めるのは簡単です!まず,紙の日記帳と電子日記帳のどちらを使うかを決めます。物理的に日記を書くことが思考の助けとなるという人もいれば,電子的な日記が最も効果的という人もいるでしょう。通常のワードソフトを使ってもいいですし,日記用に特別にデザインされたアプリを入手することもできます。
聖典日記は自分のためですから,完璧な文法について,または先生を喜ばせないとなどと心配しないでください。実際,聖典日記は公開する必要はありません。ですが,ブログやファミリーサーチの思い出で抜粋を分かち合ってみると良いと思います。両親,祖父母,曾祖父母のだれかから聖典日記をもらえるとしたら,それはあなたにとってどんなに価値のあるものになるか考えてみてください。あなたの後世も同じことでしょう。将来の世代が楽しみ,そこから学べるように,「ファミリーサーチの思い出」にあなたの最高の記録を追加することを検討しましょう。例えば,ギャラリーのアルバムに入れてから,そのアルバムへのリンクを家族と共有することができます。
ヒントをもう一つ:聖典学習を始めるときに,祈りから始めましょう。その日,あるいは今,あなたの人生で知る必要のあることを教えてくださるよう,主にお願いするのです。
そして,聖典を読み,聖典日記を書いてください。とても簡単なことです。
テリーの贈り物により,わたしは人生を変える冒険をすることができました。聖典日記は,あなたの人生も変えてくれることでしょう。