去年の夏,カミール・ジョンソンは苦しんでいました。彼女の母親は死に瀕しており,パンデミックは猛威を振るっていました。「わたしは何かをする必要があるのだと決心しました」と彼女は振り返ります。「わたしは無気力で,ただいつも眠っていたかったのです。」
「そのとき,ある本の中のうつ病を患っていた登場人物について思い出しました」と彼女は続けます。「彼女の父親は,毎週だれかに感謝の言葉を書くよう彼女にチャレンジしたのです。わたしは,感謝の気持ちがわたしたちにとってどのような助けになるかを調べ始めました。」カミールは見つけたことに非常に感銘を受けたので,彼女のポッドキャストのエピソードをすべて感謝の気持ちに関するものにし,感謝の日記をつけ始めました。
2か月後,彼女は自分のソーシャルメディアアカウントでこの習慣の利点について振り返りました。「自分の一日を思い返して,感謝していることを確認するのはとても楽しいことです。数日忘れても,振り返り,遅れを取り戻し,自分が感謝しているすべてのことについて考えるのが楽しいのです。」
アメリカ合衆国オハイオ州に住むカミールは,1年間感謝の日記をつけ続けています。「わたしは少なくとも週に一度は感謝の日記をつけています。5分もかからず,その一日について良い気持ちを持たせてくれるのです。」
感謝の日記とは何か
感謝の日記とは,自分たちが感謝していることを記録するものです。内容は文章形式で書くのもよいですが,多くは2021年7月21日付けのカミールの日記のように簡単なリストです:

感謝の日記がほかの種類の個人的な記録と異なる点は,その内容が特に,そして唯一,感謝の気持ちを表現することに焦点を当てているということです。
感謝の日記の利点は何でしょうか
カミールは感謝について調べるにつれ,その心理的・感情的な力に感銘を受けました。「さらに感謝の気持ちを抱いてそれを書き留め始めると,感謝すべきことをさらに見つける脳の訓練を始めることになると学びました」と彼女は説明します。「これは,生まれながらの負の先入観(否定的なことにとらわれる本能的な傾向)を克服する助けとなります。
感謝の日記をつけることは,わたしの脳が感謝していることを積極的に探すようにするのを助けました」とカミールは振り返ります。「何かに気づいたとき,『書き留めなければならない』と考えるようになりました。今では,物事が難しい,または重いと感じたりしても,大好きなアイスクリームなど感謝することを見いだせるようになりました。感謝はわたしの気持ちを浮き上がらせてくれます。母が亡くなってからの数日間,わたしは思い切り泣けることに感謝せざるを得ませんでした。」

科学的研究がカミールの経験を裏付けています。感謝の気持ちは,より良い生活の質,よりポジティブな感情,健全な社交活動に関連しています。感謝することで,ストレスや不安,うつ病の症状を軽減できます。感謝の気持ちは,より健康的な安静時の心拍数,心臓と免疫機能の改善,睡眠の質の向上,血圧の低下,全体的な身体的症状の減少にも結びついています。特に感謝の日記をつけている人は,もっと運動し,自分の目標に向かってさらに進歩し,自分の生活についてより楽観的に感じることが示されています。
感謝の日記の始め方
感謝の日記を始めるときは,簡単にしましょう。「最初はただ箇条書きで2,3個書き出しました」とカミールは振り返ります。「その日に起こった出来事で感謝していることを書きました。いつでも1つは,もしかしたら3つ,感謝していることを見つけることができます。」最も力強い経験をするには,その瞬間にあなたが感謝している具体的な事柄に焦点を当てる,例えば「わたしの子供」ではなく,もっと具体的に「息子の笑いの声」といったことに焦点を当てるべきだと専門家は言っています。
日記をつけることをカミールの生活に順応させるには,いろいろ試す必要がありました。「始めは毎日書くようにしましたが,時々忘れてしまったので,1週間を通して遅れを取り戻す必要がありました」と彼女は振り返ります。(結局のところ,一部の人にとっては毎日ではなく週に1から3回書く方が,実際にもっと大きな影響を与える可能性があります。)「最初は夜に5分取って書いていましたが,疲れ切っていたので,もっと思い返す時間がある朝に日記をつけるようになりました。」彼女は日記をつける習慣を既存の習慣と組み合わせて,覚えておけるようにしたのです。彼女にとって,それは聖文研究でしたが,散歩やランニングの後,瞑想しているとき,やることリストを作っている間に日記をつけるのが好きな人もいるかもしれません。

感謝の日記の形式はどのようにすればよいでしょうか。「わたしはGoogleドライブでつけ始めましたが,コンピューターを取り出したり,携帯電話でつけたりするのが難しいときもあり,日記を使い始めました」と彼女は言います。大切なのは,アプリ,ノート,手帳,日記,電子文書など,自分が使い続けることのできる形式を選ぶことです。
感謝の日記を始めるときに何らかのサポートが助けになるのであれば,一緒につけ始めるよう友人や親戚を招待するとよいでしょう。オンラインで感謝のチャレンジを探したり,お気に入りのソーシャルメディアで感謝のグループを調べたりしてもよいでしょう。
感謝の日記を自分の人生のストーリーにどのように当てはめることができるか
「わたしは自分の人生の通常の歴史を記録するのは得意ではありませんでしたが,感謝の日記はわたしの人生のスナップショットです」とカミールは振り返ります。「感謝の日記は,その日の残りの出来事を思い出させてくれるのです。」写真と組み合わせると,思い出はさらに鮮明になります。例えば,この家族リユニオンの写真は,彼女の日記「きょうだい全員で協力してより多くの料理を作ること」を表しています。(カミールは右から3番目で白いシャツを着ています。)

「このように振り返ると,わたしの人生をより広い視野で見ることができます」と彼女は付け加えます。「必ずしもすべてがポジティブで幸せなものだとは思いませんが,物事がともに働いて自分の益になっていることがもっとはっきりと分かります。」彼女は,自分の5人の子供たちのためにこのような書面の形の受け継ぎを残すというアイデアが好きです。「子供たちには,毎日ちょっとしたことで愚痴を言っている人ではなく,毎日ちょっとしたことに感謝している人として,わたしを知ってもらいたいと思います。」
自分の感謝の日記を始める
感謝の日記はどのようにあなたの役に立つでしょうか。皆さんもぜひ試してみてください。感謝している事柄のリストをノートに,または電子的に記録し始めましょう。または,ファミリーサーチの「思い出」アプリで感謝のリストを保存することもできます。