リン・ターナー,新ファミリーサーチ家族歴史図書館ディレクター

Lynn Turner, new Director of the FamilySearch Family History Library in Salt Lake City, Utah. (2022)

リン・ターナー(AG®)は,ユタ州ソルトレーク・シティーにあるファミリーサーチ家族歴史図書館の新しいディレクターに着任しました。ファミリーサーチの系図担当最高責任者を引き続き務めるデビッド・E・レンチャーの後任です。

ターナー,エルサルバドルで系図へ興味を持ち始める

リンの家族歴史への関心は,若いころ,両親や祖父母が話してくれた物語,思い出,写真によって育まれました。1998年から2000年にかけてエルサルバドルで,末日聖徒イエス・キリスト教会の伝道宣教師として奉仕したときに,職業としての系図学に興味を持ち始めました。リンは,系図研究に興味を持ったときのことを,はっきりと覚えていると言います。友人になった一人の紳士は,自分の実際の出生日や結婚の日付を知りませんでした。これは珍しいことではありませんでした。働きかけていたエルサルバドル人は,家計のやりくりに苦労していました。彼らは,汚れた床で藁葺き屋根の小屋に住んでいました。生活はとても,とても質素なものでした。

「たとえ印刷された出生証明書や結婚証明書を渡されたとしても,風雨からそれを守る術がないんです」とリンは回想しています。

リンは,その新しい友人のために,地元の公文書館に行き,友人の生涯記録の写しを手に入れました。そして,同じようなことをほかの人にもするようになりました。地元の記録事務所に行き,出生記録や結婚記録を見つけたこの経験は,系図探求に対する彼の欲求をかき立て,ほかの人々が個人的な発見をするのを助けるようになりました。また,系図学者としての職業に役立つスペイン語の専門知識も,ここで培われたものです。

スペイン語での探究におけるパイオニア,公認系図学者へ

リンは,2004年,ブリガム・ヤング大学にて系図と家族歴史の学士号を取得しました。また,勉強の過程で,ラテンアメリカとスペインの市場で家族歴史への関心が高まっていることを知りました。彼は,スペインがラテンアメリカに与えた影響から,スペイン史に焦点を当て,先祖を探しているヒスパニック系コミュニティーの拡大をサポートすることにしました(スペインはその領土で地元の記録保存の慣習に大きな影響を与えました)。

ブリガム・ヤング大学在学中,リンはスペイン系図研究のパイオニアであるジョージ・リスカンプ博士から学び,指導を受けるという機会に恵まれました。2006年,リンは30年ぶりに誕生したスペイン語(スペイン)での探究における公認系図学者となりました。実は,先代のAGは彼の教授であるジョージ・リスカンプでした。

ファミリーサーチ・インターナショナルでのリン・ターナーのキャリア

リンはBYUを卒業して間もなく,ファミリーサーチで働き始めました。過去18年間,ブラジル,ペルー,スペイン,アメリカ合衆国でのカンファレンスで専門的なプレゼンテーションを行ってきました。彼は,系図とテクノロジーが融合する様子を楽しんでいます。また,ファミリーサーチの240万本のマイクロフィルムをデジタル化するために開発されたスキャンソフトウェアの検証を手伝いました(「FamilySearch Completes Digitization of Massive Microfilm Collection」〔ファミリーサーチ,膨大なマイクロフィルム収集記録のデジタル化を完了する〕を参照)。ファミリーサーチ・リサーチサポート(FamilySearch Research Support)では,スペインとラテンアメリカの家族歴史図書館の外部通信をすべて取り締まりました。この時期に,ほかのメンバーと共に,オンライン上の豊富な系図リソースガイドであるファミリーサーチ・ウィキ〔英文〕の基礎開発を開始しました。

Family History Library Exterior

リンは,2019年から2022年まで家族歴史図書館のディレクター補佐でした。その持ち前の能力で,無料のオンライン系図相談記録検索サービス図書館の新しいウェブページの立ち上げなど,最先端の利用者用ワークステーションや新しい顧客サービス体験の構築を主導しました。また,ファミリーサーチのソフトウェアエンジニアと協力して数百万件の画像や索引化された記録のオンライン公開を促進するためのシステムやプロセスを開発しました。さらに,ラテンアメリカやスペインの同僚と幅広く協力し,これらの地域のより多くの記録へのアクセスを向上させてきました。

ファミリーサーチ家族歴史図書館ディレクターとしての未来

ファミリーサーチ家族歴史図書館のディレクターとして,リンはテクノロジーと系図を融合させた経験を生かし,系図家や家族歴史家にとって図書館を最高の目的地としてもらうことを引き続き目指すと述べています。また,同図書館は,テクノロジーによって,そのリソースおよび個人利用者の発見体験をよりグローバルに利用できるようにすることに引き続き注力していくとも述べています。

「現在,知識と支援をオンラインで共有し,ファミリーサーチ・デジタルライブラリーを通じて,より多くの書籍をオンラインで利用できるようにしています。また,今後もテクノロジーを活用して,対面での体験をさらに充実させていく予定です。系図の分野が移り変わるにつれ,わたしたちは人々が先祖を見つけ,集め,先祖とつながるのを助けることができるよう,対応していきます」と言っています。

図書館は,引き続きオンラインサービスを通して全世界に広がり,家族歴史センターおよび提携図書館プログラムを発展させていく予定です。地元では,図書館はコミュニティーの柱であり続け,対面での支援を継続的に改善し,写真のスキャンやビデオ変換などの利用者サービスのためのスペースを拡大していくとのことです。

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