エリス島にまつわる興味深い事実と伝説

エリス島の事実
ルイス・ハイン、パブリックドメイン、ウィキメディア・コモンズ経由

エリス島は現在では過去の遺跡になっていますが,エリス島が残した事実,人物,伝説は今日も人々を引きつけてやみません。世界史の中で最も大きな移民時代の一時期に,エリス島が何百万もの人々を受け入れた港になったことを考えれば,人々を魅了するのもうなずけます。

あなたとあなたの両親がアメリカ合衆国で生まれている場合,先祖の一人がエリス島を通過して新しい故郷に向かった可能性は十分にあります。

言い換えれば,エリス島はアメリカの歴史における重要な1ページであるだけでなく,あなた自身の家族歴史にとっても重要な1ページになるかもしれません。

エリス島にまつわる以下の事実と伝説のリストを見て,あなたの先祖が何を経験したのか,もう少し調べてみましよう。その後,ファミリーサーチが彼らの移民記録を見つける助けになるか確認してください。  

1.エリス島の移民当局は,もっとアメリカ人らしく聞こえるように先祖の名前を変更しました。

エリス島のベンチで待つ移民者たち

これは事実ではありません。エリス島の移民局が何かを書き留めることはめったにありませんでした。それは名前についても同じです。ただ,出航前に乗船名簿を確認するため,移民に同じ質問をして答えさせていただけでした。その目的は移民の身元と入国の理由を確認することでした。

では,だれが名前を変えたのでしょうか。恐らく移民自身がそのようにしたことは,大いに考えられます。近隣の人々との付き合いのためだったり,名前を正確に発音してもらうのに便利だったからでしょう。このような変更は後にも起こり得たと言えるでしょう。  

2.今日アメリカ合衆国に住むほとんどすべての人に,エリス島を通過した先祖がいます。

もちろん,これは誤解です。エリス島の移民局が開設されていたのは,1892年から1954年までの間だけです。したがってあなたの先祖が1892年以前,または1954年以降に来ていれば,その先祖は間違いなくどこか別の場所に到着し,入国したことになります。

この点について専門家たちは,エリス島の移民局を通過してアメリカ合衆国に来た先祖がいるアメリカ人の数は,全体の33パーセントから40パーセントまでのいずれかの数値であろうと推測しています。

3.エリス島でアメリカに入国するために作った列は,長くつらい試練でした。

エリス島で列をなして待つ移民者たち。

この言葉は一部は真実であり,一部は誤解です。それは「長い」という言葉の,あなたの定義によります。ほとんどの移民はエリス島を通過するのに,3時間から5時間かかりました。書記室で自分の番になると,移民たちは彼らの目的について一連の質問を受けました。その後,医師から検査を受けます。医師の検査に合格しなかった者は引き留められて,ヨーロッパに送り返される可能性があったことは事実ですが,医師の検査も平均で6秒程度のものでした。

4.この期間にヨーロッパからニューヨークに到着した人は皆,エリス島を通りました。

これは事実ではありません。1等または2等客室の乗客たちはエリス島の前で降ろされ,特別な移民施設,いわば富裕層のために作られた特別仕様の税関をきわめて迅速に通過したのです。

それより下のクラス,つまり3等客室の乗客たちが,通常,手続きのためにエリス島に送られたのでした。

エリス島の施設

5.エリス島では非常に多くの人々が方向転換させられ,ヨーロッパに送り返されたことから,「嘆きの島」と呼ばれるようになりました。

繰り返しますが,これは一部真実であり,一部は誤解です。エリス島でどれか一つでも検査に合格しなければ,確かに,涙をのむことになりました。しかし最終的に送り返されたのは,全体の2パーセントだけでした。到着した移民の98パーセントにとっては,エリス島は確かに「希望の島」だったのです。

6.わたしの家族歴史は,先祖の移民記録から驚くべき発見につながることがあります。

移民の少女

この最後の言葉は,間違いなく真実です!あなたの先祖の移民記録は,あなたにとっても,子供たちにとっても,そしてあなたにつながりのある人ならだれにとっても,歴史的な宝です。それらはあなたの家族歴史の中で,犠牲や忍耐や楽観主義の要となる瞬間を映し出しています。

そのような記録には,ほかのどのような資料からも得られない先祖についての情報が含まれているかもしれません。先祖の職業,外見,祖国,さらには親族に関する詳細まで得られるかもしれません。

無料のファミリーサーチ・データベースを使うことで,エリス島の記録を無料で検索できます。ファミリーサーチのこの記事を読んでさらに学ぶか,以下のリンクをクリックしてデータベースに直接アクセスしてください:

この記事のテーマとその内容の一部は,2019年家族歴史と系図に関するBYUカンファレンスのキャシー・タルロのクラス『エリス島:伝説と真実』から取っています。

BYU家族歴史と系図に関するカンファレンスは毎年開催されており,先祖について知りたいと願う系図探求者やそのほかの人々のためにクラスを提供しています。BYUカンファレンスページを見て来年のスケジュールに関する発表や,登録の開始時期を確認してください。

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2024年4月29日
あなたの先祖の中にアメリカ合衆国へ移民した人はいますか。初めてアメリカに到着したとき,彼らはどのような経験をしたでしょうか。

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