世界中のクリスマスの伝統がどのようなものだか考えたことはありますか。クリスマスのお祝いは,国や町,さらには家族によっても異なります。けれども,この人気のある祝日を祝う方法の違いに焦点を当てる必要はありません。代わりに,世界中のクリスマスの伝統の似ている点を見てみましょう!結局のところ,あらゆる場所でこの美しいクリスマスの精神を祝う人々を結びつけるのは,こうした類似点なのです。
クリスマスの思い出は,世代をつなぐ宝
クリスマスを祝う国は何か国でしょう。
世界の195か国のうち,150か国以上がクリスマスを祝い,多くの国はクリスマスを国が認める祝日として祝っています。多くの人はクリスマスを宗教的な祝日と見なす一方で,ほかの人々はこのお祝いの時期に参加することを単に楽しんでいます。クリスマスはすべての国で公式の祝日になってはいませんが,世界で最も広く祝われている祝日の一つであることには変わりありません。
あなたの家族はクリスマスを祝っていますか。先祖がクリスマスを祝ったかどうか,またはどのように祝ったか知っていますか。家族と話して,このクリスマスの季節が世代や国を超えて与えた影響について学びましょう。

クリスマスの時期の音楽
クリスマスの時季に入ると,クリスマスの音楽を聴いたり,クリスマスの歌を歌ったりします。11月末近くに店に入ると,ラジオで人気のあるクリスマスの曲が聞こえたりするかもしれません。フィリピンのような国では,早くも9月ごろからクリスマスの音楽が聞こえて来ることがあります!(クリスマスの季節はフィリピン語でKapaskuhanと呼ばれ,何か月も続きます。)
クリスマスの音楽は世界中に広まっている伝統であり,人々が旅行し,移住し,音楽を次の世代に伝えて行く中で,多くの歌が国を越えて広がっていったのです。ドイツの"O Tannenbaum"やウクライナの“Shchedryk”(または“Carol of the Bells”)などのクリスマスキャロルは,様々な場所で耳にする,よく知られた長年のクリスマスの曲です。
アメリカ合衆国の"All I Want for Christmas Is You(「恋人たちのクリスマス」)” やベネズエラの"El Burrito de Belén” ,広東語の歌"Lonely Christmas"などの最近の歌は,一般の人々の間で人気を集めています。あなたのクリスマスのプレイリストを家族や友人と分かち合い,似ている点を見てみるのもよいでしょう。新しいお気に入りのクリスマスの曲が見つかるかもしれません。
クリスマスの飾り付け
クリスマスのように見えないと,クリスマスとは言えません。世界中で一般的なクリスマスの伝統は飾り付けです。装飾に使えるものや素材は,文化や宗教上の信条,場所,利用可能な材料,また気候によっても異なるかもしれませんが,よくあるクリスマスの光景を元に考えれば,それがクリスマスの飾り付けだと分かるでしょう。
よく知られるクリスマスツリーは,自分の家を簡単な方法でクリスマス仕様にすることができます。クリスマスツリーの伝統的なイメージは,電飾やオーナメントに覆われた常緑樹です。モミの木が少ない国では,ほかのクリスマスの植物を見つけて飾り付け,クリスマスの精神を招いています。例えば,インドではマンゴーやバナナの木がオーナメントで覆われ,ドミニカ共和国では手作りの木製の木(charamicos)が使われています。オーストラリアの一部の人々は,生き生きとした花の咲いたクリスマスブッシュを飾ります。
キリスト降誕の場面の置物も多くの文化で人気のあるクリスマスの飾りとも言えます。荒削りの木像や凝った陶器の像,ひょうたんに繊細にその場面が彫られているものまであります。アッシジの聖フランチェスコは,クリスマスの理由を周りの人々に思い起こさせるために,最初のキリストの降誕の飾りを作ったとされています。南アメリカなど,世界の一部の地域で好まれる習慣は,イエスの誕生を象徴するため,クリスマスの朝まで飼い葉おけに幼子イエスを置かないでいることです。



キリスト降誕の物語の中で,イエス・キリストの誕生を表す新しい星が空に現れました。そのため,星はとても人気のあるクリスマスの飾りとなりました。クリスマスツリーの上に飾ったり,窓にぶら下げたり,町の広場に飾ったりしています。スリナムではモラヴィアの星,フィリピンではパロル,ドイツではフレーベルの星を見るかもしれません。



あなたの子供時代,家族はどのように家にクリスマスの飾り付けをしましたか。飾り始めるのは感謝祭の前ですか,後ですか。本物のクリスマスツリー,それともほかの植物,あるいは人工的な物を使いますか。何世代にも渡って受け継がれてきたキリスト降誕セットを持っているかもしれません。あるいは,それを集めるのが趣味かもしれません!クリスマスの飾りの伝統が何であれ,それらの思い出を保存してください。未来の世代は,あなたがクリスマスにどのように家を居心地の良い物にしたのか,その方法を知りたいと思うでしょう。

おいしいクリスマス料理
多くの人は特定の食べ物や料理をクリスマスに関連付けます。ブラジルとイタリアの人々にとって,パネトーネの味はクリスマスの真っ盛りであることを告げます。日本(キリスト教徒の人口が少ない国でありながらも,広くクリスマスを祝っている)では,ケンタッキーフライドチキンがクリスマスの定番となってきました。
今日のテクノロジーを使えば,まだ試したことのない世界中の伝統的なクリスマスのレシピを簡単に試すことができます。ケニアのモンバサカボチャプリンや,ポルトガルのBacalhau da Consoada(バカリャウ・ダ・コンソアダ)を作ってみるのも良いかもしれません。簡単なアイデアをお探しですか。ヨーロッパ各地のおいしいクリスマスのレシピのリストを確認するのも忘れないでください!
食べ物を作り,分かち合い,祝うことは,ほとんどのクリスマスの集まりの一部です。家族のお気に入りのクリスマス料理の思い出を「ファミリーサーチの思い出」に記録することを忘れないでください。家族が大好きなクリスマスのレシピを通して,家族のきずながどのように深まったかを未来の世代に分かち合いたいかもしれません。また,家族のオリジナルの伝統的なレシピも確実に記録しましょう!
クリスマスの贈り物をする人
世界中で人気のあるクリスマスの伝統は,贈り物を贈る行為です。キリスト教においてこの伝統は,イエス・キリストの誕生に贈り物を届けた3人の博士たちに基づくと考えられていました。

クリスマスの贈り物の伝統の一部は,贈り物を贈る担当の人物です。サンタクロースは,異なる言語で様々な名前が使われていますが,最もよく知られているクリスマスプレゼントの贈り主の一人です。フランスではPapa Noël(パパノエル),オランダではSinterklaas(シンタクラース),イギリスではFather Christmas(ファーザー・クリスマス)またはSt. Nicholas(聖ニコラス)と呼ばれているのを聞くかもしれません。

世界では,サンタが唯一のクリスマスプレゼントを贈る人ではありません。イタリアには,ほうきに乗って靴下いっぱいのあめを届ける年老いた女性,La Befana(ベファーナ)がいます。アイスランドの13人のユールラッズは,クリスマスまでの連続13夜に子供たちを訪れます。
パラグアイでは,贈り物を持って来るのは Los Tres Reyos Magos (3人の王様)です。また,韓国ではSanta Haraboji(サンタハラボジ)が,赤ではなく緑の伝統的な衣を着ているのを見るかもしれません。
あなたの祖父母やほかの先祖は,クリスマスの日にどのように贈り物を受け取ったでしょうか。あなたの家族には,贈り物を届ける人を待つクリスマスの伝統がありますか。遅くまで起きてサンタクロースを一目見ようとしたり,3人の王様とそのらくだのために食べ物や飲み物を置いておいたりしたかもしれません。
クリスマスを祝う時期
クリスマスの日の24時間よりも多くクリスマスを祝う人がいることを知っていましたか。様々な宗教的,また世俗的な伝統によって,クリスマスは早いところは9月,あるいは11月から,もしくは1月の初めまで続けて祝うこともあります。
クリスマスの日の前
一部の文化では,クリスマスの4週前の日曜日から12月24日のクリスマスイブに至るまでの,内省的な準備の時期であるアドベントを祝います。宗教的にこれを実践する人々にとって,アドベントはキリストの降誕への備えのときを表していますが,キリスト教徒がキリストの再臨と呼ぶものに対する備えでもしばしばあります。ハンガリーでは,アドベントカレンダーにはチョコレートなどのお菓子が入ることが多く,クリスマスまで毎日ミサが行われています。

クリスティングルは一般的なクリスマスの伝統で,アドベントの時期,キリスト教徒の人口が多い世界の多くの地域で見られます。クリスティングルは子供たちに与えられ,赤いリボンで巻かれたオレンジの上部に火を灯したろうそくが刺してあり,キリスト,神の愛,世界を象徴しています。
メキシコでは, Las Posadas(ラス・ポサダス)がクリスマスの9日前から祝わわれます。Las Posadasは,ろうそくに火をともした家族や友人のパレードで満たされています。このパレードは,宿を探すヨセフとマリヤを表しています。
グループは毎晩様々な家に行き,マリヤとヨセフを入れてもらうための懇願の歌を歌います。一度ある家で受け入れられれば,グループは祈り,タマーリなどの伝統的な食べ物を分かち合います。 Las Posadasの最後の夜は,ピニャータや花火がしばしば盛り込まれ,大きなパーティーが行われます。
クリスマスの日
実際のクリスマスの日は国によって異なります。ほとんどの国では,グレゴリオ暦に基づいて12月25日がクリスマスになります。国や文化がユリウス暦(またはエジプトの場合はコプト暦)を使ってクリスマスの日などを計算する場合,クリスマスは1月7日に当たります。
クリスマスの日の後
一部の文化では,12月25日から1月6日(またはユリウス暦を参考にする場合は1月7日から1月19日)の間の12日間のクリスマスを祝います。この12日間は,イエス・キリストの降誕とイエスを訪れる博士たちの旅を表しています。12日間のクリスマスは,公現祭で終了します。エチオピヤでは,公現祭は大きな祭りで,その後に宗教的な儀式が行われる日です。

レット・イット・スノー!ではないですか?
雪はクリスマスのよく知られた伝統の一部です。しかしそれは,12 月から 1 月にかけて定期的に雪が降る地域に住んでいる場合だけの話になってしまいます。2017年,Vouchercloudは,World Weather Onlineのデータを使って,世界の様々な地域でホワイトクリスマスが見られる可能性を視覚化しました。その年のトップ10の国は,ロシア,ベラルーシ,フィンランド,エストニア,リトアニア,グリーンランド,カザフスタン,カナダ,ウクライナ,アイスランドでした。
その年のデータではまた,世界の60%以上の国がクリスマスの日に雪の降る確率が0%であったことも示していました。マダガスカルやニュージーランドなど,このような場所では,音楽や飾り付け,食べ物,贈り物を通してクリスマスの精神を感じますが,クリスマスの雪は降りません。


クリスマスの日に雪だるまやつららがたくさん見られる場所に住んでいますか。それとも,クリスマスに家族や友人の家へ向かうときに暖かい散歩を楽しめる場所に住んでいるでしょうか。クリスマスの時季にどこにいようと,また雪がどれほど降ろうと,家族や友人とクリスマスを祝い続け,皆が共有するクリスマスの伝統を楽しんでください。
あなたのクリスマスの伝統は何ですか。
わたしたちを結ぶ,世界中の7つのクリスマスのテーマを紹介しました。伝統はわたしたちを民として結びつけるもので,人生に意味を見いだす助けにもなることができます。世界の別の地域で,あなた自身の伝統と似たものについて学びましたか。
このクリスマスの季節にどこにいようと,食べ物や飾り,音楽,あるいは雪の中や浜辺で行う好きなクリスマスの活動など,同じような伝統を持つ人を見つけられるに違いありません。友人や家族との集まりは,クリスマスの季節の伝統や思い出について人々に思い出させ,尋ねるのに最適なときです。録音機を持っていなければ,ほとんどのモバイル機器で使用可能なファミリーサーチの思い出アプリを無料で使って,記録を取り込んだり,学んだことのメモを書き留めたりすることができます。
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国ごとのクリスマスの伝統をさらに深く学ぶ
その国特有のクリスマスの伝統についてさらに学びたい場合は,以下の記事を読み,将来またこのページに戻ってさらに見つけてください!人々がこのクリスマスの季節をどのように祝い,感謝するかについてさらに学び,自分の伝統について思い巡らすことで,あなたの心と家庭におけるクリスマスの精神が強められることでしょう。