ぬかるみに足をとられながらも……索引作成に燃える

ファミリーサーチの索引作成が記念すべき数字を打ちたてました。先月かそこらで,ファミリーサーチで検索可能な人名数が25億件を超えたのです。そしてその名前の大半は,皆さんのような人々が時間を取って索引作したおかげでファミリーサーチに載せられたものです。

その数をもっと詳しく把握するために,これまでの経緯を振り返り,また今後の伸びについても予想してみましょう。

想像してみてください。1999年,familysearch.orgがオンラインになったばかりでした。新しい系図サイトはとても人気があるので,すぐにパンクしてしまいます。だれもが夢中になる理由は何でしょう。それは億単位の人名が検索できるからです。

当時としてはものすごい数でした。しかし,オンラインで検索できなかった(そして現在もまだその域にある)人名の量に比べれば,それは大海の一滴にしかすぎなかったのです。

では2006年にはどうなったでしょう。この年ファミリーサーチの索引作成が導入されましたが,それまでにfamilysearch.orgではさらに何億もの検索可能な人名を掲載していました。――その大半は,末日聖徒イエス・キリスト教会会員の手作業での人名抄出奉仕作業の尽力によるものです。しかし,ファミリーサーチの索引作成ができるようになって,だれでも自宅に居ながらにして系図記録の保存に参加できるようになりました。――そして記録の掲載速度も加速していきました。

それからわずか6年後の今年,2012年はどうでしょう。検索可能な人名数は,何倍にも増えました。急勾配の成長曲線は,どんなウォールストリートの大物でもうらやましく思うことでしょう。ところが,これだけの成長もファミリーサーチのチームにとっては,次の大記録に向かってさらにまい進するための動機となっただけのことです。その理由はここにあります。

2006年のある時期に,ファミリーサーチではマイクロフィルムの記録をスキャンしてデジタル画像に変換する技術も劇的に改善しました。加えて,それはもともとあった保管記録から新しいデジタル画像を取り込む作業を倍化させました。現在185を超える撮影班が世界中に点在し,週に六日間画像の取り込みを行っています。どういうことかというと,現在ファミリーサーチは,毎日一秒ごとに平均で10枚の新しい画像を作成し,それらは数日のうちにfamilysearch.orgに掲載されています。計算すると,各画像にざっと8人から10人の名前が含まれていれば,結局まだまだたくさんの索引作成が必要とされ,作業規模も肥大化しつつあります。

これはどういうことになるのでしょう。それは丁度,インターネット上にある50人以上の人間対象の綱引きのようなものです。人数を増やせば,ゆくゆくはこの怪物を倒せますが,それまでは象の思いのままです。

いつかはこの「怪物」を征服できるはずです。つまり新たな索引作成者や確認者を増やしていくことでその確率はぐっと高くなります。とはいえ当座は,例えて言うならぬかるみに足をとられながらも頑張らなくてはなりません。聞こえはよくないかもしれませんが,実のところこれは害のない健全な娯楽とも言えます。そして,何百万もの人々がそこから大きな恩恵を被っているのです。

ですから,次の大記録が樹立されるまで注目していてください。恐らく50億の人名が検索できるようになるでしょう。あるいは,長らく見つからなかった自分の先祖が,検索データとしてついに現れるかもしれません。いずれにせよ,それは偉業となり,皆さん自身とファミリーサーチの索引作成を行う家族の皆さんは,その達成に感謝することでしょう。

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