共同作業のファミリーツリーで協力して作業するためのヒント

一緒にファミリーサーチ・ファミリーツリーに取り組む父親と二人の息子。

家系図は人類の歴史と同じくらい古く,紙に記録されたり,布に縫い付けられたり,石に刻まれたり,口承によって受け継がれたりしてきました。

デジタル時代以前は,家系図を共有することはしばしば困難で,時には不可能でした。しかし,1980年代になり,家庭用コンピューターがすべてを変えました。人々は系図ソフトで家系図を保存するようになり,印刷物やデジタルコピーは比較的簡単に共有できるようになりました。

2009年ごろ,ファミリーサーチは新しいファミリーサーチと呼ばれる世界初のオンライン共有家系図の一つを立ち上げ,新境地を切り開きました。それに続き,2013年には,次世代のファミリーサーチ共同作業ツリーであるファミリーツリーが一般公開されました。

バーデン辺境伯の家系図(1635年)

共同で作業するツリーとは何でしょうか

ファミリーサーチのファミリーツリーは,共同作業のウィキモデルを採用しています。ウィキペディアのようなウィキベースのサイトを恐らく御存じでしょう。そこではすべての利用者に同じ情報が表示され,登録ユーザーであればだれでも情報を投稿し修正することができます。これらのサイトの目的は,利用者の目標達成に役立つ情報のクラウドソーシングされた保管場所を作成することです。

ファミリーサーチのファミリーツリーも同じです。これは公開ツリーであるため,すべてのユーザーが亡くなった人々に関する同じ情報を見ることができ,また共同で作業できるツリーでもあるため,すべてのユーザーが情報を追加または修正することができます。最終的な目標は,人類家族の正確な記録を作成し,人々が生者と亡くなった家族の両方とつながることができるように助けることです。

共同作業ツリーというアイデアはエキサイティングで革新的です。もう独りで取り組む必要はないのです!世界中の家族と協力することができますし,探求の重複を減らすことができます。だれでも一つの公開ツリーで現在の情報にアクセスできるため,情報を共有するためにコピーを印刷したり,ファイルを電子メールで送信したりする必要はありません。

共同作業ツリーはほかのツリーと何が違うのでしょうか

共同作業ツリーはエキサイティングですが,ほとんどの人にとって新しいものです。以下の表から,個人のツリーでの作業と共同で作業するツリーでの作業の違いを確認してください。

個人のツリー共同作業ツリー
自分のツリー内の人々に精通している。ほかのユーザーが共同作業ツリーに追加した人々をよく知らないかもしれない。
自分の頭の中にある事柄や,調べたメモなど,まだ個人のツリーに含めていない家族に関する重要な情報にアクセスできる。ほかの利用者が共同作業ツリーに入力していない情報にアクセスすることはできない。
ほかの利用者はわたしの許可なしに,わたし個人の家系図に変更を加えることはできない。すべての利用者は,共同作業ツリー内の情報を追加または変更できる。
わたし個人のツリーにおける貢献の質は,わたしが管理する。共同作業ツリーへの自分の貢献の質は管理するが,ほかの利用者の貢献の品質は管理しない。
部分的な情報や疑わしい情報を自分の個人ツリーに入れることができ,それがほかの人に悪影響を与えることはない。部分的な情報や疑わしい情報を共同作業ツリーに入れると,ほかの利用者を混乱させ,間違いにつながる可能性がある。

良きファミリーツリー市民になる

コンピューターに向かっている男性が片手に紙を持ち,画面と照らし合わせている。

共同作業ツリーは,ほかの人と家族歴史を行う新しい方法を必要とします。地域社会の市民が法律に従い,地域社会の発展を助けるために協力しているのと同じように,ファミリーサーチ・ファミリーツリーの利用者も最善の活用例に従い,協力して共同作業ツリーの構築を助けることができます。ここでは,良きファミリーツリー市民になるために役立つ6つの最善の活用例を紹介します。

1.学ぶ

ファミリーサーチ・ファミリーツリーを理解すること,つまり,その情報がどこから来るのか,また機能の仕組みを理解するということが成功への重要な鍵です。

ファミリーツリーの良き市民になるということは,家族歴史の基本を学ぶことも意味します。専門家である必要はありませんが,学び続け,スキルを向上させることを目標にすることができます。

ファミリーサーチのヘルプと学習センターで利用できるリソースを調べてみてください。また,ソルトレーク・ファミリーサーチ図書館が提供しているような無料のオンラインクラスや対面式のクラスからも学ぶことができます。さらに,膨大なルーツテックのライブラリーには,家族歴史の様々なトピックに関する多くのビデオが用意されており,スペイン語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スウェーデン語など,様々な言語で利用できます。

FamilySearch.org の「ヘルプと学習センター」のスクリーンショット

2.正確性を目指す

共同作業ツリーには信頼が不可欠であり,その信頼は主に正確性に基づいて築かれます。情報の追加や変更は,その追加または変更した内容が正確であるという確信がある場合のみにしましょう。

裏付けとなる情報源を添付することを常に忘れないでください。情報源は,その情報が信頼できることをほかの利用者が知るのに役立ちます。情報源は紙やデジタル文書である必要はないことを心に留めておいてください。例えば,個人的な知識や口承も情報源となり得ます。

正確さを追求する重要な理由がもう一つあります。ファミリーサーチ・ファミリーツリーの最も便利な機能の一つは,情報源や重複の可能性に関するヒントを提供してくれることです。しかし,良いヒントは良い情報に依存します。プロフィールページに誤った情報が含まれている場合,ヒントも間違っている可能性が高くなります。

ファミリーサーチ上の,ジョン・シンプソンのプロフィールページのスクリーンショット。5件の「探求のヘルプ」を表示

あなたは次のように言うかもしれません。「でも,自分が持っている情報は,たとえ正しくなくてもほかの人に見てもらいたい。ほかの人がもっと教えてくれるかもしれないから。」以下は,共同作業の公開ツリーに疑わしい情報や不正確な情報を含めない,ほかの人と作業するための幾つかの方法です:

  • MyHeritageAncestryなどのサイトに個人の系図を掲載します。ほかの人を招待して,そこで見てもらいましょう。(注:この記事で触れているアプリケーションの中には,日本語に対応していないものがあるかもしれません。)
  • ファミリーツリーのプロフィールページの共同作業タブで注釈を残すか,ディスカッションを開始します。 
  • あなたがさらに情報を探しているファミリーサーチ・ファミリーツリーのエリアで,だれが作業しているかに注目してください。任意の利用者の名前をクリックして,その利用者にメッセージを送信できます。

3.完全性を目指す

完全性は,正確性と密接に関係しています。可能であれば,ほかの人がやってきて,あなたが始めたことを終わらせてくれると想定して,不完全な情報を追加するのは避けることをお勧めします。例としては,出生地が分かっているのに出生年のみを追加する,あるいは,さらに多くの記録があるのにもかかわらず,家族の子供の一部のみを追加する,などです。ほかの人は,あなたが何を考えているのか分からないかもしれないことを覚えておいてください!何かが欠けていることに気づかないかもしれませんし,欠けている情報を見つける方法が分からないかもしれません。

さらに,情報が不完全であれば,利用者は人々を間違った家族に結びつけたり,プロフィールを誤って融合したりする可能性が高くなります。これらのエラーの修正は困難で時間がかかる場合があります。各家族について部分的またはつながりの途切れた個人や家族を追加するよりも,ある程度徹底的な作業を行う方が良いでしょう。

4.チームワークスキルを実践する

共同で作業するツリーは,重要なチームワークスキルを実践するすばらしい機会です。情報を追加または変更する前に,自分の行動がほかの人にどのような影響を与えるかを考えてください。

そして追加または変更を行うときは,何をしたのか,なぜそのようにしたのかを明確に伝えてください。多くの場合,情報源を添付したり,役立つ理由文を書いたりすることで,自分の理由や判断したことを伝えることができます。さらに説明が必要な場合は,プロフィールページの共同作業タブで注釈を残すか,ディスカッションを開始することを検討してください。

ファミリーサーチ上の,プロフィールの共同作業ページのスクリーンショット。注釈には,命名式の年に誤りの可能性が記されている。

5.ペースを落とす

時間を節約するために急ぐと,ほとんどの場合,ミスにつながり,長期的にはより多くの時間がかかります。共同作業の公開ツリーでは,間違いは雪だるま式に増える傾向にあります。ほかの利用者は,あなたが入力した情報を検証するのではなく,それが正しいと思い込み,それを基に構築する可能性が高いです。つまり,一つの間違いが世代を超えて複数の間違いにつながる可能性があるということです。

そのため,GEDCOMファイルまたはほかの家族歴史ウェブサイトの公開ツリーからファミリーサーチ・ファミリーツリーに名前を追加したい場合は,追加する前に時間をかけてすべての情報を検証してください。あなたはそうして良かったと思うでしょうし,ほかの利用者もそれを高く評価することでしょう。

6.バックアップを残す

最後に,誤った変更を修正できるように,ファミリーツリーに追加した情報のバックアップを取ることを検討してください。別の系図ウェブサイト(MyHeritageAncestryなど)で個人の系図を残すことも,デスクトップアプリケーション(Ancestral QuestRootsMagicなど)を使うこともできます。探究のメモやログもバックアップとして使えます。

テーブルを囲んで家族歴史に取り組む家族。

次はあなたの番です

共同作業ツリーに取り組むことで,家族歴史を行う新しい方法を学ぶことができます。時間や忍耐,調整が必要かもしれませんが,その恩恵は絶大です。ともに働くとき,わたしたちは亡くなった家族を敬い,生きている家族とつながり,最終的には全人類の共有ツリーを築くという目標を達成することができます。

発見の旅

世界中の家族と一緒に,共同作業ツリーを築いていきましょう。以下は,そのほかの役に立つリソースです:



ファミリーサーチでは,あなたとあなたの家族をつなぐことを大切にしており,楽しい発見体験や家族歴史サービスを無料で提供しています。それはなぜでしょうか。わたしたちは家族を大切にし,世代をつなぐことは,現在そして永遠にわたってわたしたちの生活を向上させることができると信じているからです。ファミリーサーチは,非営利組織であり,末日聖徒イエス・キリスト教会によって運営されています。わたしたちについてもっと知りたい方は,こちらをクリックしてください。

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