1850年代に多くのアメリカ合衆国住民が西部に移住しました。カリフォルニア州の金鉱やネバダ州の銀鉱に向かう人もいれば,友人や家族と一緒に,ミシシッピ川からオレゴン州沿岸までの広大な内陸部に定住するために旅をした人もいました。新たな準州がアメリカ合衆国に加わりました。
西部への移住は多くの人に自由と機会を約束しましたが,何百万人ものアフリカ系アメリカ人が依然として奴隷にされていました。1850年代,奴隷制度に関する世論はますます熱くなり,暴力行為が何度も起こりました。1860年の国勢調査が取られたとき,国は南北戦争の開始から1年足らずでした。
このような変化の時代,あなたの家族にはどのようなことが起こっていたのでしょう。1860年の国勢調査の中にその答えが見つかるかもしれません。
1860年国勢調査が行われた日付はいつですか

1860年の国勢調査の日付は6月1日(金曜日)でした。この日に国勢調査員がアメリカ合衆国中の世帯の訪問を開始し,調査を終えるのに5か月かかりました。20歳以上のすべての人は協力する必要があり,回答者は1860年6月1日の時点の状況で調査員の質問に答える必要がありました。
1860年国勢調査に含まれていたのはだれですか
1860年国勢調査では,アメリカ合衆国の法律の下で生活していたアメリカ先住民を含め,奴隷ではないアメリカ合衆国のすべての住民が数えられました。ダコタ州,カンザス州,ネブラスカ州,ニューメキシコ州,ユタ州,ワシントン準州に住む人々も含まれていました。アメリカ先住民ではないアメリカ先住民特別区の住民で,白人,黒人,あるいは「ムラート」と呼ばれていたアフリカ系とヨーロッパ系の先祖の混血であった人々もアーカンソー州の住民として数えられました。奴隷にされていた人々は,別々の「奴隷の項目」に数えられました。
1860年国勢調査にはどのような質問がありましたか
対象者は,以下の情報を提供するよう求められました:
- 名前,年齢,性別,肌の色
- 「本物」の資産(一般的に土地を意味する)の価値
- 個人の財産の価値(一般的に,奴隷を含む移動可能な物品を指す)
- 出生した州,準州,または国
- その年のうちに結婚したか,学校に通っていたか
- 15歳以上の男性の場合,専門職,商売,または職業
- 20歳以上の場合,読み書きができるかどうか
- 「ろうあ者,盲人,精神異常者,知的発達障害者,貧困者,あるいは囚人」であるかどうか
奴隷の項目で,奴隷にされていた人々が名前で特定されることはめったにありませんでした。奴隷所有者の名前の下で身体的特徴(年齢,性別,肌の色)によってのみ集計されました。脱出に成功した,または解放された人は「ろうあ者,盲人,精神異常者,あるいは知的発達障害者」と同様に集計されました。各奴隷所有者の集計では,奴隷のために提供した家の数が報告されました。
1860年に行われた調査のほかの項目で,親族に関する追加情報が見つかるかもしれません。「死亡者数」の項目には,国勢調査の前年に亡くなった人が記録されています。「農業」と「製造」の項目では,農業や製造所の運営によって生計を立てていた人々の生産が説明されています。

1860年国勢調査は何を示しましたか
1860年国勢調査によると,自然の増加と移民の両方のおかげで,1850年代にアメリカ合衆国の人口が約35%増加したことが分かります。1860年国勢調査で数えられた400万人以上が国外で生まれており,推定270万人が1850年以降に到着しました。アイルランドが外国生まれの人口の約44%を占め,ドイツは26%,イギリスは約13%を占めました。
イリノイ州,インディアナ州,テキサス州,ミネソタ州,ミシガン州,ウィスコンシン州,アイオワ州,ミズーリ州など,国内の中央部に位置する州が1850年代に最も急速に成長しました。しかし,ニューイングランドと中央の州(デラウェア州,メリーランド州,オハイオ州を含む)が依然として最も人口の多い州でした。
1860年国勢調査の統計によると,395万人のアフリカ系アメリカ人が奴隷制が認められていた15の州で奴隷として暮らしていました。その数は1850年以降,約23%増加しました。アフリカ系の人口の50万人弱が自由であり,1850年以来約12%増加しました。
1860年国勢調査で個人を見つけるにはどうすればよいでしょうか
1860年国勢調査はFamilySearch.orgで無料で検索できます。以下の検索フォームに親族の姓名を入力し,分かっていれば,その人が1860年に住んでいたであろう場所と出生年を入力してください。

最初の数件の検索結果で親族が簡単に見つからない場合は,1860年に同居していた家族の名前など,親族を特定できる追加情報を入力してください。ミドルネームや個人の子供の名前など,検索結果で認識できる詳細に注意してください。名前のつづりが期待どおりではない場合があり,個人がニックネームやイニシャルで特定されていることもあります。
世帯構成員が記載されている順序は,家族関係の手がかりになるはずです。世帯主が最初に記載され,次に配偶者が記載されることになっていました。次に,子供たちが年長者から年齢順に記載されます。住み込みの労働者,下宿人,親戚など,そのほかの世帯構成員はその次に記載されることになっていました。しかし,国勢調査の指示が常に完全に守られているとは限らないことを心に留めておいてください。
1860年国勢調査で個人を見つけられない場合,その人があなたが認識できない名前または状況で表示されている可能性があります。アフリカ系アメリカ人は奴隷にされていた可能性があるため,名前が記載されていないことがあります。女性は別の姓を持っていた可能性があります。また,個人が数えられていなかったり,あなたが探している人が生存していなかった可能性もあります。1850年と1870年の国勢調査でその人を検索し,学んだことを使って1860年国勢調査をもう一度検索してみてください。アフリカ系アメリカ人の親族を探す際は,以下のヒントに従ってください。
1860年の生活についてさらに学ぶにはどうすればよいでしょうか
独自で調べることで,1860年国勢調査時の日常生活の実態についてさらに学ぶことができます。あなたの先祖は,この時期に移民,奴隷制度,または西部への移住の影響を受けたでしょうか。以下のトピックを探索してみてください。