世界では,伝統的な葬式に代わる,生涯を記念する式典が行われています。葬式が故人を偲ぶことに重点を置いて厳粛に行われるのに対し,生涯を記念する式典は,その名の通り,個人の人生に重点を置くため,より祝賀的な雰囲気で行われます。
生涯を記念する式典は,葬式とどのように違うのでしょうか。
生涯を記念する式典と伝統的な葬式は似ているようでいて,まったく異なるものです。共通点もありますが,以下の点で異なります。
世界中の葬式
伝統的な葬式は,その地域や人々の文化や宗教に大きく影響されます。北米の伝統的な葬式では,ビューイング,葬儀,および墓地で行われる埋葬式を行うのが一般的です。参列者は黒や濃い色の服を着用することが多いです。
ヒンズー教の地域では,弔問客は清さを象徴する白い服を着るることもあります。アジアの多くの国で行われる葬式には,通夜,「泣き女」〔雇われて号泣する人〕,葬儀,長期間における複数の法要が含まれることがあります。
アフリカの一部の国では,葬儀で赤を身につけることが適切であるとしています。葬式では,音楽やダンスをしながら通りを練り歩くこともあります。
生涯を記念する祝典
生涯を記念する式典も同様に,地域や人々の文化や宗教に影響を受けます。さらに,宗教色が薄いため,特定の宗教・宗派にこだわらない方にとっては魅力的なセレモニーとなります。
生涯を記念する式典は,故人の埋葬または火葬した後に行うことが多いため,このようなセレモニーは亡くなった後であれば,いつでも行うことができます。より多くの時間をかけてこの特別なイベントを計画することができるのです。このような生涯を記念するイベントを,愛する人が亡くなってから1年たつまで行う御家族もいます。これは深い悲しみと喪失感の渦中にあり苦しむ方々にとって,大きな助けとなります。
生涯を記念する式典の形式には,厳密な決まりはありません。その代わりに,故人や御家族の希望に沿った形でこの行事を行うことができます。
このような人生の終わりを記念するイベントには生き生きとした活気があります。思い出を分かち合ったり,笑ったりして,その人が自分たちにとっていかに大切だったかを思い出す時間です。
生涯を記念する式典では何をするのでしょうか。

上記のように,生涯を記念する式典は個人の意向に合わせたものであり,宗教儀礼を伴わないこともあります。そのため,レストランや公園などの,ユニークな場所で開催することができます。参加者は,特別なテーマや色の服装を依頼される場合があります。愛する人の好きなスポーツチームのジャージーやチームカラーを検討してみてください。参加するときに,思い出を分かち合ったり,故人が好きだった歌を一緒に歌ったり,ゲームをお願いされたりするかもしれません。
生涯を記念する式典では,故人が生前好きだった食べ物やリフレッシュメントが出されることがよくあります。生演奏やビデオ,写真,展示などを楽しむのもよいでしょう。
生涯を記念する式典を行う御家族に花を送ることもできます。御自宅に送ってもよいですし,必要に応じて会場に直接送ってもよいでしょう。
笑う,泣く,面白い話や特別な話を共有する,活動に参加することは,このイベントにふさわしいことです。その名の通り,生涯を記念する式典は,喜ばしいお祝いを意味します。
生涯を記念する式典を祝うためのアイデア

- 故人を偲ぶウォーキング,サイクリング,ランニングなどのイベントを開催する
- 愛する人にとって特別な意味を持つ場所を選ぶ
- 愛する人が言った面白い言葉やお気に入りの言葉が書かれた名言ボードを作る
- 故人の好きだった色で会場を飾り付け,ゲストにその色の服を着用してもらう
- ランタンやキャンドルを灯し,故人を偲ぶ
- 愛する人の人生のハイライトを振り返る動画を作る
- 故人のお気に入りのゲームをテーブルに置き,ゲストに遊んでもらう
- メモリアルハッシュタグを作成し,生涯の記念をソーシャルメディアでシェアする
- 愛する人のお気に入りの料理やお菓子をゲストに振る舞う
- 参加者に特別な記念品を配る
自分の家族のために生涯を記念する式典を計画したり,参列したりしたことがありますか。もしあれば,イベントの詳細や,愛する人を思い出したときの気持ちについて書くのもよいでしょう。イベントでの経験や写真をファミリーサーチ・ファミリーツリーの「思い出」セクションに載せ,他の人と共有することができます。