ファミリーサーチ・ファミリーツリーで自分の曾祖母を見つけたら感激することでしょう。しかし,曾祖母の記録が4度も見つかり,それぞれの記録の情報が少しずつ違っているとしたらどうでしょうか。
こうした重複に困惑や苛立ちを感じるかもしれません。それでも,ファミリーツリーで一人の先祖の記録を複数見つけるのはよくあることです。こうした重複(同一の個人について複数の記録がある場合に使用される用語)が起こる原因は,ツリー内の情報が様々な情報源から来ている点と,ユーザーが各自の情報をツリーに直接入力できる点です。情報の入力は様々な箇所で行われるため,ファミリーサーチは,より多くの重複を防止するための安全対策を要所で講じていますが,それでもファミリーツリーに一人の先祖の記録が複数存在する可能性はあります。
記録が重複すると,ツリーが複雑になり,混乱が生じるため,無駄な時間を費やすことになりかねません。また,一人の先祖に関する既知の情報が別々の記録に分割されてしまうこともしばしばあります。一つの記録に個人の誕生に関する正確で完全な情報がある一方で,別の記録にはその人の死に関する情報と情報源がある場合もあります。また,記録の重複は関係を複雑にしてしまいます。ある記録では,曾祖母は曾祖父と結婚しているが両親の記載が一切なく,別の記録では両親とともに記載されているが伴侶の記載がないといったことがあり得るからです。
曾祖母に関する複数の記録を見て混乱するかもしれませんが,重複の問題には解決策があります。重複している記録を融合すればよいのです。ほとんどの人はツリー内で,この重複の問題を何度か経験することになるため,融合はだれもが習得しておくべき重要なスキルです。
融合のプロセス
融合は難しくありませんが,特に初めて試みる場合,不安を感じるかもしれません。最も一般的な間違いは,早く終わらせようと手順を急ぎすぎることです。融合には時間をかけて,確実に正しい結論に至るようにしてください。最も正確な情報を保存し,下した結論について注釈を書いておきます。また,融合のプロセスを開始するときに,祖先について知っていれば知っているほど,プロセスがより簡単になり,適切な判断を下していると感じるようになります。
プロセスにおいて役立つ簡単な手順を幾つかご紹介しましょう。
重複の可能性を見つける
ツリー上で重複を見つける最も簡単な方法は,個人の詳細ページで調べる方法です。右側の欄の下部にあるツールボックス内の「 重複の可能性」をクリックします。
新しいページが開きます。下の例では,Jens Christian Thustrupのページで「重複の可能性」を選択すると,重複の可能性があることが分かりました。
厳格な基準があるため,「重複の可能性」機能により,すべての重複が抽出されるわけではありません。ある先祖に重複の疑いがある場合は,画面の上部にある「ファミリーツリー」メニューの「検索」オプションから検索してみてください。
重複を見つける可能性があるもう一つ場所は,ツリーに新しい個人を追加するときです。ファミリーサーチは,既存の記録を自動的に検索して,その個人がすでにツリーに存在するかどうかを確認します。同様に,歴史記録を追加したときも,ファミリーサーチは一致すると思われる人々を自動的に探しますが,検索結果には同一の個人の記録が複数含まれる場合があります。
融合を確認する
「重複の可能性」画面で,「 融合の確認」をクリックします。「個人の融合」画面が開きます。
画面上部に,二つの記録を比較した概要が表示されます。右側の記録を左側の記録に融合することになります。右側の記録を基本の記録として使用したい場合は,「 位置を入れ替える」をクリックします。
以下の質問を念頭に置き,各情報を比較しながら画面を下にスクロールします。
この個人は同一人物だろうか。 情報を確認した後,両方の記録が同じ人物に関するものであるという確信を得てから,融合を続行するべきです。同一人物ではないと判断した場合は,画面の下までスクロールし,「一致しません」をクリックします。二人が同一人物ではないと判断された場合,ファミリーサーチは今後,2つの記録を重複の可能性がある記録として融合の提示をしません。確信を持てない場合は,2つの記録を融合しないでください。すぐにプロセスをキャンセルして,個人の詳細画面に戻ります。時間をかけて,その個人についてさらに詳しく調べましょう。後でいつでもそのページに戻って記録を融合することができます。
各フィールドについて,情報の追加,置換,あるいは拒否をしたいですか。 矢印は各フィールドの選択肢を提示します。「置換」を選択すると,右側の情報が左側のそのカテゴリの情報に置き換えられます。「拒否」を選択すると,記録が融合されるとき,右側の情報が削除されます。左側の対応するフィールドに情報がまったくない場合は,「追加」を選択して情報を追加することができます。これらのフィールドには,日付と場所,および関係に関する情報が含まれています。
情報の一部は保存された個人に自動的に融合され,両方の情報が保存されます。こうした情報には,比較欄の一番下に表示される情報源が含まれます。その情報を保存したくない場合は,「情報源」ボックスの「元に戻す」をクリックします。また,「思い出」に保存されているもの(写真,音声オファイル,ストーリーを含む)は何一つ「融合の確認」画面には表示されませんが,これらの情報は保存された記録とともに自動的に保存されます
理由を説明する
保存する情報の選択が完了したら,画面の下部にある「 融合を続ける 」をクリックします。このプロセスを完了する前に,「この融合が正しい理由」と書かれたボックスに記入する必要があります。簡単に「同一人物」などと入力したくなるかもしれませんが,時間を取ってさらに詳しい説明を加えてください。例えば,両方の記録のID番号を含めると役立ちます。
融合しない場合
上記の手順はほとんどの状況に当てはまりますが,考慮すべき特別な状況があります。最も重要な点は,すべての記録を融合することはできず,またそうすべきではないということです。一致の可能性を慎重に確認することが重要です。融合すべきではない場合:
- 同じ両親の子供だが,生年月日が異なっている子供たち。家族が家族名を絶やさないようにしたいと望むことはよくあります。幼児と子供の死亡率が非常に高いために,多くの文化圏で,家族が名前の存続性を高めるために,複数の子供に同じ名前を付けることがおうおうにしてありました。
- はっきりと確認できない記録。先に進む前にもう少し調査をしてください。
融合できない場合
以下のような場合,ファミリーサーチは融合を認めません:
- 二人の生者の記録。
- 一人の生者の記録と一人の死者の記録。必要であれば,生者の記録の情報を変更して,死亡したことを明示した後,二つの記録を融合します。
- 末日聖徒の会員記録からの情報を持つ二人の記録。
- 性の違う人々の記録。
融合の解除方法
二つの記録を結合した後,それらを結合するべきではなかったことが判明した場合でも,すべての情報は失われていません!融合後,記録に変更が加えられていない場合,または変更が少数である場合は,その人の詳細画面を開き,右の欄の「 最新の変更 」ボックスまでスクロールします。「 融合が完了しました」をクリックします。この画面から「 融合解除 」をクリックし,古い情報を復元します。